クレジットカードの料金を延滞した場合の対処法
今回はクレジットカードを持っている人であれば誰もが遭遇する可能性のあることについて書きます。
それはクレジットカードの利用料の延滞です。
何らかの理由で引き落とし日に銀行口座の残高が足りず、引き落とし日にきちんと引き落としがされなかった場合、どのようにすればいいのでしょうか?
また、延滞してしまった場合、どんなペナルティを受けることになるのでしょうか?よく耳にすると思いますが、すぐにブラックリストに載ってしまうのかなどを詳しく説明しますので最後まででお付き合い下さい。
特に、もうすでに引き落としがされずに延滞してしまったという人は絶対に最後まで読んで下さいね。
いい加減な対応をしてしまうと取り返しのつかないことになる危険があります。
クレカの代金を延滞してしまった場合、いろいろな理由でがあると思います。
多いのは、引き落とし日にを忘れていて、指定の銀行口座に入金するのを忘れていて残高不足で引き落としが失敗したというパターンです。
この場合の対処法は比較的簡単です。
とにかく気付いたらすぐにクレジットカード会社に電話して、「入金するのを忘れていて、引き落としに失敗した」旨を伝えましょう。
そして、すぐに支払うのでどのようにすればいいのかを教えてもらいましょう。
延滞が初めてで、いつもきちんと支払っているのであれば、一回延滞したくらいではすぐに電話がかかってきません。
だから引き落としができなかった事に気付かない場合もあるのですが、気付いた段階ですぐに電話しましょう。
引き落とし日の午前中など、早い段階で気付いた場合には午後に再引き落としがかかる場合が多く、それまでにきちんと全額入金しておいて無事に再引き落としされれば延滞扱いにはなりません。
これが延滞した場合にはできる最も理想的な方法です。
この場合は、引き落とし日に支払ったことになりますので、通常通り問題なく引き落としが完了したものと同じ扱いになりますので延滞金も取られませんし事故扱いにもなりません。
次に引き落とし日の再引き落としに間に合わず、約束の引き落とし日に支払う事が出来なかった場合です。
引き落とし日の再引き落としに間に合わず指定日に支払うことができなかった場合、後日の再引き落としになる場合と振込みでの支払いをする場合の2つのパターンがあります。
どちらの場合でも注意しなければならないのは延滞金を取られることが多いという事です。
延滞金は正確には遅延損害金と言いますが、だいたいどこのクレジットカード会社も年利14.6%になっています。
これは利息制限法という法律で遅延損害金の上限が定められており、その上限に近い率に設定されているからです。
利息制限法については1条と4条でその事が定められています。
このページの下の方に参考に条文を載せていますので、興味のある人はそちらも読んでみて下さい。
年率14.6%というのはいわゆる「消費者金融」とか「サラ金」と言われている業者の利息に近い率ですので、かなり高い延滞金が取られるのだということを認識しておきましょう。
クレジットカード会社といえば、大会社でクリーンなイメージがありますが、遅延損害金に関してはサラ金並みの利息を請求してくるので注意が必要です。
例えば、10万円の支払いを延滞していて、10日後に再引き落としがかかる場合には、延滞金は延滞金は以下の計算式で円になります。
100,000円x0.146(14.6%)/365日x10日=400円
したがって、10日後に再引き落としされる場合や振込によって支払う場合には100,400円を支払う必要があります。
ちなみに利息制限法の上限は、元本(延滞している金額)によって異なり以下のようになっています。
- 10万円未満:29.2%
- 100万円未満:26.28%
- 100万円以上:21.9%
良心的なクレジットカード会社の場合は、延滞金が発生しない期間を定めている場合があり、すぐに支払えば延滞金が請求されない場合はもあります。
延滞金が発生しない猶予期間のことを特許に関しての専門用語としてよく使われる言葉で、グレースピリオド(graceperiod)と言う事があります。
次に、手元にお金が無くてすぐに支払う事ができない場合の対処法です。
手元にお金が無くて自分の力では支払う事が出来ない場合には、まず家族に借りることを検討しましょう。
友達に頼めるという人もいるかもしれませんが、個人的には友人関係が崩れたりするきっかけになる事が多いので、それはあまりお勧めできません。
家族で誰か借りる事ができる人がいれば一番ベストです。
それができない場合で、その後にすぐにまとまったお金が入ってくる予定があるのであれば、消費者金融を一時的に利用するというのも検討しましょう。
クレジットカードの支払いのために消費者金融でお金を借りるというのは、かなり財政的に危険な状態になっているわけですが、それでも少し先に必ず返済できるという確実な収入が見込めるのであればサラ金から借金してでもクレジットカードの支払いをすぐにした方がいいです。
今はインターネットから申し込みをすれば、その日に即日お金を受け取れる消費者金融があります。
というのも、後で書いていますが、クレジットカードの支払いを遅らせるというのは、個人信用情報に大きな傷がついてしまうからです。
クレジットカードというのは読んで字の如く「Credit(信用)」で成り立っているわけです。
1回でも1日でも支払いが遅れると「Credit(信用)」が無くなってしまい後で書いているように大きなペナルティを受けることになってしまいます。
ただし、何度も言いますが消費者金融からお金を借りてクレジットカードの返済に当てるというのは、後に必ずお金が入ってきて返済できる見込みがある場合だけです。
確実に返済できる見込みが無いのに一時しのぎで消費者金融を利用するのは絶対にやめましょう。
その場合の対処法については後で説明しています。
次に、家族や友人からお金を借りる事ができず、返済できる見込みが無いため消費者金融を利用することもできないという場合の対処法を説明します。
延滞したらすぐにカード会社に電話をしよう
家族や友人からお金を借りる事ができず、返済できる見込みが無いため消費者金融を利用することもできないという場合は、クレジットカード会社に電話して返済計画の相談をしましょう。
クレジットカード会社は闇金などの違法行為を行っている会社では無いので、電話をしたとしても、「金返せコラー!」とか怒鳴られることは絶対にありません。
クレジットカード会社の人からすると、よくある案件の1つに過ぎないので良くも悪くもすごく事務的に対処してくれます。
とにかく絶対に放置せずに電話して相談することです。
なぜ電話する事が大事なのかというと、相手に逃げる気は無くてきちんと返済する意思はあるということを示すためです。
お金じゃなくても何でもいいのですが、あなたも友達に何か貸して返してもらえなかったという経験はあるでしょう。
その時に、向こうから「あっ忘れてた。ごめん。今度返すからちょっと待ってね。」と言ってもらえると安心しますよね。
その一言がなかったり、自分から相手に「早く返して!」と言うまで何も連絡が無かったりしたら不安だし、腹も立ちますよね。
クレジットカード会社もそれと同じことです。
だから電話をして今後の返済の計画(リスケジュール)について相談しましょう。
多くの場合は、少し先にまとまったお金が入ってくる予定がある場合には返済日を先延ばしにしてもらえます。
少し待ってもまとまったお金が入ってくる予定が無い場合には、リボ払いに変更するとか毎月の分割払いなどに変更するとかで対処してもらえますので安心して下さい。
それでも、どうしても支払う事ができないという事であれば、できるだけ早めに弁護士に相談して任意整理や自己破産などの債務整理手続きに入ることをお勧めします。
真面目な人ほど、なんとかしようと思って頑張ってしまうのですが、一度財政的に厳しい状況に追い込まれてしまうと自分の力では抜け出せないということも多々あります。
精神的にも肉体的にも追い込まれてしまうこともあるので、遠慮せずに早めの傷が浅いうちに弁護士に相談しましょう。
昔と比べて弁護士業界も競争が激しくなっているので、サービスの質が上がってきていて、事務所の敷居も低くなっています。
初回相談無料という法律事務所がたくさんありますので、とにかく一度相談だけでもしてみることをお勧めします。
最後に、クレジットカードの支払いを延滞した場合にどうなってしまうのかを説明します。
まず、先ほども書いたように、支払日の1回目の引き落としに間に合わなかった場合でも、午後などの再引き落としに間に合った場合には何の問題もありません。
約束の支払日に支払う事ができず、遅れての再引き落としや振込での支払いの場合は、クレジットカード会社の内部記録に延滞した事実が残ります。
1回くらいであれば問題無い場合が多いのですが、2回以上延滞した場合には、後日支払いが完了するまでクレジットカードの利用を停止される場合があります。
また、有効期限が切れた後に更新してもらえない事があります。
そうなると、今使っているクレカの有効期限が切れたらそのクレジットカードは使えなくなってしまいます。
よく耳にする「ブラックリスト」というのがあります。正確には信用情報機関に事故情報が登録される事なのですが、少し延滞したくらいではブラックリストには載らないので安心して下さい。
ただ、会社によって対応が違うので何とも言えないのですが、短期間でも何度も延滞した場合、2回連続で延滞した場合、30日とか60日などの長期間延滞した場合、などはブラックリストに掲載されてしまう可能性があります。
もし、ブラックリストに掲載されてしまうと、別のカード会社のクレジットカードも作れなくなりますし、自動車ローン、住宅ローン、携帯電話の端末の分割払いなどが利用できなくなります。
特に、最近の携帯電話はほとんどの人がiPhoneなどの高額のスマートフォンを使っているので、その分割払いができないとなると、次から機種変更などをする時に一括払いでしかできなくなるので人によって日常の生活にまで支障が出てくる事もあります。
ブラックリストの事やクレジットカードの審査の事などはこちらの記事(クレジットカードの審査に落ちた場合の原因と解決法)に詳しく書いてありますので、興味のある人は読んでみて下さい。
とにかく、何度も言いますが、クレジットカードというのは「Credit(信用)」で成り立っているものですので、絶対に支払日に引き落とせるように残高を用意しておきましょう。
たとえ1回でも、一日でも延滞すると大変なことになる可能性があるということをきちんと認識しておきましょう。
こちらのクレジットカードの仕組みでも書いているように、クレジットカードで支払えるお店は売り上げの数パーセントをクレジットカード会社に手数料として支払っているわけです。
ということはお店としては、クレジットカードで支払われた場合は手数料を取られるので、現金で支払ってもらった場合より利益が減るわけです。
それなのにクレジットカードで支払える場面が増えている理由は、お店としてはクレジットカードで支払ってもらった場合には、どんな事があってもクレジットカード会社がお金を払ってくれるので、確実にお金を回収できるからです。
今はほとんど使われていませんが、以前は企業の取引で約束手形というのが利用されていました。
約束手形の使い方は現金の代わりに金額を書いた約束手形というのを振り出して渡します。
約束手形を受け取った人は、期日になったらそれを銀行に持って行ってその相手の当座預金から現金を受け取れるという仕組みです。
もし、期日に当座預金の残高が不足していた場合、約束手形の代金が引き落とされないわけですが、それを2回やってしまうと銀行取引停止処分という重大なペナルティを受けてしまいます。
銀行の取引が停止されるということは、銀行にとっては死刑宣告のようなもので倒産が確実なものとなってしまいます。
だから約束手形を振り出した方は、どんな事があっても必死になって期日にお金を支払えるように努力するわけです。
反対に約束手形を受け取った方は、相手は銀行取引停止処分を避けるために必死になってお金を支払おうとするので、代金を回収できる可能性が高まるわけです。
ちょっと話がずれましたが、要するにクレジットカードもそれと同じようなもので、個人情報がブラックリストに載るというのはかなり大きなペナルティを受けてしまうわけです。
クレジットカード会社は、自分の顧客が利用した代金は必ず加盟店に支払わなければならず、後に顧客がお金を引き落とし日に払ってくれなかった場合には自分がその損害を負担しなければなりません。
クレジットカード会社は、クレジットカードの利用者が後で支払ってくれないというリスクを負担しているのですが、それでも顧客を信用して(Credit)、クレジットカードを発行してくれているわけです。
約束の引き落とし日に、残高が足りずに支払う事ができないというのは、リスクを取って信用してくれたクレジットカード会社を裏切ってしまうことになります。
クレジットカードは大変便利なものなので、できるだけフル活用した方がいいのですが、あくまで自分の支払える範囲で計画的に利用しましょうね。
参考条文
(利息の制限)
第一条金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
一元本の額が十万円未満の場合年二割
二元本の額が十万円以上百万円未満の場合年一割八分
三元本の額が百万円以上の場合年一割五分
(利息の天引き)
第二条利息の天引きをした場合において、天引額が債務者の受領額を元本として前条に規定する利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分は、元本の支払に充てたものとみなす。(みなし利息)
第三条前二条の規定の適用については、金銭を目的とする消費貸借に関し債権者の受ける元本以外の金銭は、礼金、割引金、手数料、調査料その他いかなる名義をもってするかを問わず、利息とみなす。ただし、契約の締結及び債務の弁済の費用は、この限りでない。(賠償額の予定の制限)
第四条金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
2前項の規定の適用については、違約金は、賠償額の予定とみなす。