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良い土地は本当にすぐに売れる。全ての条件を満たす土地はめったに無い。
土地探しを始めたけど、なかなか良い土地が見つからない。
不動産屋やハウスメーカーにいろんな土地を紹介されるけど、場所、形状、価格などが納得できずイマイチ決める事ができない。
夫婦間での意見や価値観が合わずに、喧嘩になって結局決める事ができないなど、いつまで経っても土地を決められないという人はたくさんいます。
本当は、土地と建物はセットで考えた方がいいのですが、今回は土地に限った話をします。
よく言われる事なのですが、土地探しというのは結婚(婚活)と似ています。
相手の男性や女性が、世界で1人しかいないのと同じように、土地も世界に1つしかありません。
全く同じものというのは世の中に絶対に存在しません。
結婚を決める時もそうですが、相手の容姿、性格、価値観など全てがパーフェクトという事はほとんど無いはずです。
欠点もたくさんあるけど、それを上回るくらい良いところがあって、総合的に考えてどこかで妥協して結婚を決意するのです。
土地探しも、これと同じです。
自分が理想としているパーフェクトな土地というのは、基本的には無いと思いましょう。
必ずどこかで、妥協しないといつまでも土地を決める事ができません。
そこで、大事なのが優先順位を決める事です。
この優先順位を決めるというのはすごく大事で、これがうまくできれば、良い土地を早く探す事ができるし、失敗すれば、後で後悔するような土地を買ってしまう事になります。
これから具体的に、どのようにして優先順位を決めればいいのかを説明します。
できれば、紙と鉛筆を用意して、読みながら一緒に手を動かして書き出して見ることをおすすめします。
土地探しだけでなく、何か意思決定をしなければならない時であればいつでも使えて、最良の選択をする事ができる魔法のようなツールを紹介します。
「評価軸 × 評価」リストで全体を客観的に評価する
意思決定をするために有効なツールはたくさんあるのですが、ここでは「評価軸 × 評価」リストというツールを使います。
まず、どのようにするのかの全体像を説明します。
- 候補となる土地を全てピックアップする。
- 自分にとって必要な条件やあったらいいなと思うことを評価軸として、できる限りたくさん書き出す。
- 書き出した各評価軸の重要度を決めて点数を付ける。
- 各土地を評価軸ごとに評価して点数を付ける。
- 評価軸の重要度の点数と各土地の評価軸の点数を掛けたものを各土地ごとに合計して総合得点を出す。全体を見て総合的に土地を決める。
サンプルとしてこの手順に沿って実際に作った「評価軸 × 評価」リストの完成形をまず見て下さい。
では、1つずつ説明していきます。
STEP1:
まず、最初に不動産屋やハウスメーカーに紹介された土地や自分でインターネットなどで探した土地で候補となるものを全てピックアップしましょう。
上のサンプルでは、A土地、B土地、C土地を候補としてピックアップしています。
STEP2:
次に、自分が住みたい土地に求める絶対に必要な条件やあればいいなと思うことを全て書き出して見ましょう。
この書き出した項目が「評価軸」となります。
この時の注意点は、思いついた事は些細な事でもとりあえず全て書き出すという事です。
例えば、「会社まで30分以内で通勤できる場所」、「2,000万円以内で買える事」、「3階建で延べ床面積が120㎡以上の建物が建てられる事」、「〇〇小学校の学区内のエリア」、「徒歩5分以内にスーパーがある事」などです。
STEP3:
ステップ2で書き出した「評価軸」について、それぞれ重要度を決めましょう。
1〜5点くらいの間で点数を付けると良いでしょう。
この部分は非常に大事です。この重要度の点数の付け方に失敗すると、最終的に間違った土地を買ってしまう事になります。
特に、結婚している場合には、遠慮せずに夫婦でお互いにそれぞれ大事な事には、重要度の高い5点とか4点を付けましょう。
上のサンプルでは、夫が通勤のために会社まで20分でいける場所というのを最優先事項にしていますので重要度は5点です。
また妻が子供のために、〇〇学区エリアの土地というのを希望しているので、優先度を上げて4点にしています。
さらに夫婦両方の希望として予算は2,000万円としているので重要度は5点になっています。
スーパーや駅が徒歩5分圏内というのは、車を所有しているので、それほど重要度は高くないという事で2点や1点としています。
STEP4:
ステップ2で書き出した「評価軸」にしたがって、候補となる土地を評価して点数を付けましょう。
これも1〜5点くらいの間で点数を付けると良いでしょう。
STEP5:
これで、全ての土地について評価軸ごとに点数が付けられたと思います。
重要度に付けた点数と評価軸に付けた点数を掛け合わせた点数をそれぞれの土地について合計すると総合点が出ます。
その総合点を基準にして土地を選ぶと、良い土地を選択する事ができます。
ポイントは重要度の点数と評価軸の点数を「掛け算」する事です。
掛け算にする事で、重要度の高い評価軸の点数が、重要度の低い評価軸の点数よりもより高くなるようになっているので、重要度の高い評価軸が総合点により強く反映されます。
重要度の高い部分の評価軸については、自分が土地に対して絶対に必要だと考えている条件ですので、その部分を外してしまうと後で後悔するような土地を買ってしまう事になります。
反対に重要度の低い評価軸の部分については、紙に書き出すまではいろいろと気になっていた場合でも、紙に実際に書き出してみて、重要度の高い評価軸と比較して検討すると、実はそれほど重要な問題じゃなかったと気づく事が多いのです。
その場合、その部分を無視しても後で後悔するという事はまずありません。
このように候補となる土地や自分が土地に求める条件を全て書き出して、その上で重要度を付けて評価して総合的に評価すれば、頭がスッキリした状態ですごく冷静に客観的に判断できるので、最良の選択をする事ができます。
この「評価軸 × 評価」リストで候補となる土地を評価していけば、早く良い土地を探す事ができます。
上のサンプルでは、A土地が最も高いスコアとなっているので、A土地が最も良い可能性が高いという事になります。
実際、夫の最優先事項である「会社まで20分で通勤できる」という条件や、妻の最優先事項である「〇〇学区のエリア」という条件を満たしています。
残りのスーパーや駅が徒歩5分圏内という条件は、車を持っているという事で重要度の点数を下げているので、徒歩5分圏内になかったとしても車に乗っていけばいいので特に大きな問題にはならないでしょう。
皆さんも紙とペンを用意して、家族みんなで「評価軸 × 評価」リストを使ってどの土地が良いのか検討してみて下さい。
今まで悩んでいたのが嘘のように、意外なほど早く土地を決める事ができる場合があります。
優先順位を付けるのが大事というのは、よく耳にすると思いますが、具体的にどのようにすればいいのか分からないという人が多いです。
でも、このように「評価軸 × 評価」リストを使えば、簡単に優先順位を付けて、良い意思決定ができます。
