
長く快適に住める「良い家」の条件
マイホームを建てるのは多くの人にとって一生に一度の経験で、人生最大の買い物です。
建てた後に失敗したと思っても、よほどお金に余裕のある人じゃないと建て直すなんてことはできませんし、本当に後悔して悲しい気持ちになります。
だから絶対にマイホームの建築では失敗したくありませんよね。
ところが、実際にはこんなデータがあります。
マイホームを建てた後の人に、「家を建てる前にもう少し勉強すればよかったですか」という質問をしたところ、70%以上の人が「Yes」と答え、マイホームを建てた後に後悔してしているのです。
このホームページでは、絶対に家作りを成功させるために必要な最低限の情報を掲載しています。
このページでは、「本当に良い家」と呼べるために絶対に必要な条件を説明しています。
もちろん人によって「理想の家」というのは異なります。
でも、どんな家でも最低限これだけは備えていなければ快適に住むことができない条件というのがいくつかあります。
これから何十年と長い期間住む家です。上手く建てれば、子供の代まで快適に住むことができる家を作ることができます。
吹き抜けが欲しい、中庭が欲しい、ステキな自分の書斎や趣味の部屋が欲しいなど胸が踊る心境はよく分かります。
でも、まずは家づくりで1番大事な基本である「良い家の条件」を知っておいて下さい。
ここに書いてある知識は必ず家を建てる時に役立ちますし、建ててから本当に知っておいて良かったと思っていただける内容です。
これを読んだ後に家を建てたという人から、喜びのメールをいただいた事も何回かあります。
ぜひ、最後まで読んでいただだければ嬉しいです。
家族全員が楽しく幸せに末永く過ごせる素晴らしい家が建てられることを心より望んでいます。
なぜ多くの人が家を建てた後に後悔するのか?
当たり前のことですが、家を建てる時に失敗してもいいと思っている人はいないでしょう。
みんなそれなりに一生懸命勉強して土地を探したり、マイホームを建てるのです。
にもかかわらず、どうして70%以上もの人が建てた後に後悔するのでしょうか?
その原因を知っていれば、失敗をさける事ができます。
原因としては、消費者側の事情と建築業界側の事情の2つがあります。
1つ目の消費者側の事情は簡単です。
多くの人は家を建てるというのは一生に一度しかありませんし、建築に関する専門家でもありません。
要するにスーパーなどで買い物をするのと違って、経験や知識が絶対的に足りないのです。
そしてもう一つの建築業界側の事情ですが、ハウスメーカーや工務店がお客様である消費者の立場に立って十分な情報提供を行なっていないというのが原因です。
悪質な住宅会社の場合には、詐欺に近いような手口を使って自分たちの利益を優先しようとすることもあります。
どの業界も商売ですから、売れるように多少の営業トークをして、自分の利益を優先させますが、建築業界はそれが他業種に比べて少しひどいという業界全体の悪習慣があります。
したがって、住宅展示場のモデルハウスを見学に行ったりして営業マンのトークを鵜呑みにしないようにしましょう。
また、業者が決まった後の打ち合わせの時なども、相手の言いなりにならずに、きちんと聞くべきことは聞き、言うべきことは言うという姿勢が必要です。
良い家に必要な最低条件を知っているだけでも、営業マンの言いなりになって後で後悔するということは無くなります。
それでは、具体的に良い家に絶対必要な条件を説明していきます。
耐久性と耐震性が高い事
まず、長く住み続けるためには、頑丈で耐久性が高く、地震がきてもビクともしない耐久性の高い家であることが必要です。
特に私たちが住んでいる日本は地震大国です。
過去に何度も大震災と呼ばれる大きな地震が発生しているので、必ず耐震性の高い家が必要です。
具体的には耐震等級3が必要です。
耐震等級というのは1、2、3の3段階あり、数字が大きくなるほど耐震性が高いことになります。
耐震等級3というのは、耐震等級1の1.5倍の耐震性能があり、震度6強~7の地震でも、軽い補修程度で住み続けられるレベルの性能だと定義されています。
分かりやすく言えば、消防署や警察署などの災害復興の拠点となる防災施設が耐震等級3で建築されています。
阪神淡路段震災の時に多くの建物が全壊や半壊といった被害を受けたことから、2000年(平成12年)に定められた平成12年新耐震基準というのがあります。
最近の例をあげると2016年(平成28年)に発生した熊本大地震では、最大で震度7が2回観測されました。
この地震によって平成12年新耐震基準で建てられた家のいくつかが全壊、半壊などの被害を受けました。
他方で、耐震等級3で建てられた家はほとんど全く被害を受けなかったという事実があります。
残念ながら、太平洋側の広い地域で大きな被害を受けるマグニチュード8クラスの東海大地震が数十年以内に高い確率で起きるということが予想されています。
また、東日本大震災のように全く想定できなかった大地震が起きる可能性も高いです。
したがって、これから家を建てて、その家に長く住み続けるためには絶対に耐久性と耐震性が高い家であることが必要です。
断熱性、気密性、換気効率が高い事
次に重要なのが断熱性と機密性と換気です。
耐久性と耐震性についてはハウスメーカーなども積極的にアピールしてきますし、消費者の方も重要視しているので見落とす事は少ないのですが、断熱性と気密性に関しては多くの人が軽視しがちです。
しかし、断熱性と気密性が「良い家」と「悪い家」を決定づけるポイントだと言っても過言ではありません。
断熱性と気密性が高ければ、外の気温の影響を受けにくく、冷暖房の効果が高くなります。
夏は涼しく、冬は暖かいという快適に過ごせる家に絶対に必要な条件なのです。
建売住宅やローコストハウスメーカーなどで断熱材をケチったり、技術不足で正しい施工がされないということがあります。
そういう家は、数年くらい住んでいると、冬はとても寒くなり、家の中を隙間風が吹いているという最悪の状態になります。
一般的にはマンションなどの集合住宅の方が気密性・断熱性が高いので、マンションと比べると戸建の家は冬は寒いと思っている人が多いです。
しかし、断熱性と気密性の高い家を建てれば一軒家でも、夏や涼しいし冬は暖かいという家になります。
断熱性と気密性が高いと、冷暖房の効率が高くなりますので、光熱費がかなり抑えられます。
新しい家に住み始めてから光熱費が半分になったという事もよくあります。
例えば、毎月の電気代が5,000円安くなれば年間で6万円の節約になります。
30年住めば、30x6=180万円もの差になります。
建てる時に断熱材を良いものにするとか、サッシをアルミではなく樹脂にするとか、断熱性と気密性を意識して建てたとしても100万円くらい高くなるだけです。
最初は高いと思うかもしれませんが、長い目で見れば必ず安くなります。
さらに、断熱性、気密性、換気効率が高い家にはあまり知られていない大きなメリットがあります。
それは、健康になるという事です。
家の中の温度が高い状態に保たれると、アレルギー性鼻炎、花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、糖尿病、肺炎、高血圧性疾患、関節炎、心疾患(ヒートテック)などの有病率が下がることが最近の研究で分かってきました。
というよりも、家の環境と人間の健康に関連性があるというのは、住宅先進国であるイギリスなどでは以前から当たり前のように考えられており、日本よりも遥かに厳しい基準が設定されています。
日本でもようやくそのことが認識され初めてきたという事です。
肺が冷たい空気を吸い込むことによる刺激が抑えられたり、家の中で着る服の枚数が減って、肌への刺激が減ったり、気温低下による血圧の上昇を抑えられたりするのが理由です。
良い家に住めば健康になるという「住環境と健康の関連性」については、大変重要なテーマであるにも関わらず、多くの人がまだまだ認識していないので、別のページで詳しく解説しています。
将来のメンテナンスがやりやすい事
何十年という長い期間にわたって家を維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
イギリス、フランス、ドイツなどの住宅先進国では築100年を超えている家がたくさんあります。
鉄骨系の住宅ではなく、木造住宅でも、最初にきちんと建てて定期的にメンテナンスをしていればそれくらいは十分快適に使えるのです。
奈良県の法隆寺を見れば分かりますが、正しく定期的なメンテナンスをすれば、1000年以上でも大丈夫なのです。
木造住宅だから30年くらいで建て替えが必要になるというのは真っ赤なウソです。
ちなみに日本の住宅の平均耐用年数は30年弱です。
もし、35年ローンを組んだ場合、住宅ローンを全て支払い終わる前に、家を建て替えなければならないということです。
このことからも多くの日本人が住宅ローンの支払いで経済的にも精神的にも追い詰められていることがよく分かりますよね。
もし、ヨーロッパ諸国のように100年以上安心して住むことができる家があれば、孫の代くらいまで住み続けることができ、経済的にも非常に負担が軽くなるはずです。
大事なマイホームを長持ちさせるために、配管をコンクリートの下に埋設しないことなど、メンテナンスが低コストで簡単にできる構造の家を建てることが大切です。
また、家を建てた後のアフターフォローやメンテナンス計画書などをきちんと丁寧に説明してくれるハウスメーカーや工務店を選ぶことが大事です。
