住宅の購入は多くの人にとって人生で最大の買物です。
目次
- 1 大手ハウスメーカーが小さな工務店に負けているポイントは?
- 2 価格が高くなることと完全自由設計が難しいのが大きなデメリット
- 2.1 【デメリット1・広告宣伝費(モデルハウスやテレビCM)や人件費などの経費がかさむため価格が高くなる】
- 2.2 【デメリット2・仕様設備には標準プランとオプションがあり仕様変更などをするとオプションで費用が高くなることがある】
- 2.3 【デメリット3・デザイン・間取りなどプランや仕様がの自由度が低い】
- 2.4 【デメリット4・会社は利益主義。営業マンはノルマが課せられ歩合制の給料なので営業手法が強引になりがち】
- 2.5 【デメリット5・見積書が一式という大まかな書き方がされていることが多く、詳細な内訳が分かりにくい】
- 2.6 【デメリット6・実際に家を建てるのは各地域の下請けの工務店なので、技術力に差があり完成する家の良し悪しが予想しにくい】
大手ハウスメーカーが小さな工務店に負けているポイントは?
誰もが絶対に失敗したくないと思っているでしょう。
多くの人は住宅展示場のハウスメーカーの立派なモデルハウスを見て、夢が膨らんでハウスメーカーで家を建てようといます。
確かにハウスメーカーで家を建てるメリットは多いです。
しかし、ハウスメーカーも良いところばかりではなくて、短所もいくつかあります。
人によってはハウスメーカーで建てるよりも、地元の工務店で家を建てた方が良い場合もあります。
このページでは、ハウスメーカーで家を建てる場合の主なデメリットを全て紹介します。
ハウスメーカーのデメリットも正しく理解した上で、どの業者に注文するかをじっくり検討するようにしましょう。
また、各ハウスメーカーごとにも特徴があって得意な点と苦手な点があるので、ハウスメーカーどうしの比較も大切です。
ハウスメーカーで家を建てる時に注意しなければならない主なデメリットは以下の通りです。
- 広告宣伝費(モデルハウスやテレビCM)や人件費などの経費がかさむため価格が高くなる
- 仕様設備には標準プランとオプションがあり仕様変更などをするとオプションで費用が高くなることがある
- デザイン・間取りなどプランや仕様の自由度が低い
- 会社は利益主義。営業マンはノルマが課せられ歩合制の給料なので営業手法が強引になりがち
- 見積書が一式という大まかな書き方がされていることが多く、詳細な内訳が分かりにくい
- 実際に家を建てるのは各地域の下請けの工務店なので、技術力に差があり完成する家の良し悪しが予想しにくい
それでは以下どのようなデメリットがあるのかについて具体的に見ていくことにしましょう。
価格が高くなることと完全自由設計が難しいのが大きなデメリット
ハウスメーカーも全てにおいて優れているわけではなく、いくつか苦手な部分もあります。
それでは1つずつデメリットを詳しく説明していきます。
【デメリット1・広告宣伝費(モデルハウスやテレビCM)や人件費などの経費がかさむため価格が高くなる】
大手ハウスメーカーは広告宣伝費、住宅展示場のモデルハウス維持費、人件費などで多くの費用がかかります。
そのためせっかく大量生産で安く抑えられている製造コストも、こうした経費のせいで結果として工務店よりも高い価格設定になってしまいます。
住宅展示場に行けば分かるのですが、集客のためにいつも何らかのイベントが行われており、抽選会や無料のプレゼント配布などが行われています。
それにはもちろんコストがかかっており、その分のコストは契約した人が支払う金額に含まれてしまうのです。
どんなビジネスでも集客のために適度な広告宣伝費はもちろん必要なのですが、ハウスメーカーは総じて他の業界に比べて広告宣伝費の割合が高いです。
ハウスメーカーで家を建てる場合は、工務店で家を建てるより支払う金額が高くなるということは認識しておきましょう。
最近は、ようやくハウスメーカーもインターネットを使った集客に力を入れ始めており、広告宣伝費を抑えようという流れになってきています。
【デメリット2・仕様設備には標準プランとオプションがあり仕様変更などをするとオプションで費用が高くなることがある】
ハウスメーカーで家を建てる時の価格設定でよく使われるの坪単価です。
建物の延べ床面積に応じて総額が計算できるので分かりやすいのですが、実はこの坪単価というのがくせ者で実際はあまりあてにならないです。
ハウスメーカーによって坪単価は全く違うのですが、だいたい平均的なプランで30万円から80万円くらいです。
坪単価が30万円から50万円くらいのハウスメーカーをローコストハウスメーカーと呼んだりもします。
各ハウスメーカーが提示してくる坪単価というのは標準仕様と呼ばれる範囲の中で家を建てた場合の金額で、それよりも良い材質の部材(フローリングを無垢材にするなど)を使ったり、複雑な間取りにしたりするとオプションという扱いになって追加料金が発生します。
また、坪単価に含まれているのは建物だけの金額で、下水道の管工事や外構工事の費用は含まれていないため、はっきりとした総額が分かりにくいのです。
例えば、坪単価60万円で、延べ床面積40坪(約132㎡)の家を建てた場合。
60万円 x 40坪 = 2400万円
となりますが、ほとんどの場合、総額はこれ以上になります。
これにオプション料金で300万円、下水道管の引き込み工事や外構工事で300万円などが必要になり、最終的には3000万円になったりします。
特に、複雑な形状の土地などの場合は、外構工事費など高くなります。
後でも詳しく書いていますが、ハウスメーカーは利益第一主義の傾向が強いので、営業マンは何かとオプション料金を発生させて総額を上げようとしてくるので注意が必要です。
私の知っている範囲で言うと一条工務店は、この標準仕様とオプションの分かりにくさを少しでも解消するために、何が標準仕様なのかというのをカタログで明らかにしています。
この一条工務店の消費者視点の取り組みは高く評価してもいいでしょう。
他のハウスメーカーでも同じような資料(カタログ・パンフレット)を用意している事もあるので、資料を取り寄せて何が標準仕様なのかというのを確認しておきましょう。
反対にそれさえ理解できていれば、うまく予算の範囲内で家を建てる事ができるでしょう。
【デメリット3・デザイン・間取りなどプランや仕様がの自由度が低い】
各ハウスメーカーは住宅の目的やデザインごとにベースとなる商品を用意しています。
例えば、洋風の家とか、和風の家とか、女性向けのデザインの家など。
ハウスメーカーの建てる家は、ラインナップしている商品が標準仕様となっていますので、それを大きく変更するのが難しいです。
技術的に可能であれば、どのような設計の家も自由に建てる事ができるのですが、それをやるとオプション費用で価格が高くなってしまいます。
どのハウスメーカーも「完全自由設計に対応できます。」とアピールしていますが、実際に規格外の自由設計住宅を建てようとすると価格が跳ね上がってハウスメーカーで家を建てるメリットが無くなってしまいます。
ある程度規格が決まった家をベースに、少しアレンジした自分好みの家を、そこそこの価格で建てられるというのがハウスメーカーのメリットでもあるわけです。
また、都市圏の不整形地(三角形などの形の整っていない土地)、狭小地、隣家との空間が無い場合など、複雑で手間のかかる工事が必要になる場合なども、それらを苦手としているハウスメーカーでは価格が高くなります。
【デメリット4・会社は利益主義。営業マンはノルマが課せられ歩合制の給料なので営業手法が強引になりがち】
ハウスメーカーの多くは上場企業であり、利益第一主義の傾向が強いです。
また、営業マンにはノルマが課せられており、給料も歩合制になっている事が多いです。
そのために営業マンはどうしても契約を急がせようとします。中には強引に契約を迫ってくる営業マンも残念ながら存在します。
特に決算前には、様々な手法を使って契約を迫ってくるので、その勢いに飲まれて慌てて契約をしてしまう事にもなりかねないので注意が必要です。
ハウスメーカーの営業マンが使ってくる典型的な手口は「営業マンの言う事には必ず裏があるぞ!」や「キャンペーンとモニター選出のウソ」で詳しく書いていますので必ず読んでおきましょうね。
【デメリット5・見積書が一式という大まかな書き方がされていることが多く、詳細な内訳が分かりにくい】
これはハウスメーカー全体の問題で、個人的には直ちに業界全体が是正すべきだと思っています。
業界用語で「見積もりトラブル」と呼ばれるており、重要な問題ですのでこれからハウスメーカーで家を建てようと検討している人は特に注意して読んで下さい。
ハウスメーカーと契約しようとする場合、本来は契約前に詳細な明細見積書を施主(家を建てる人)に渡すという法律上の義務があります(建設業法20条)。
その見積もりには、基礎工事費や内装工事費などの工事費用が項目ごとに分かれており、各費用の細かい内訳が記載されています。
内訳の内容として、例えば、使用する材料のグレード、数量、単価などがあります。
これら必要なものが全て記載されているものを明細見積書というのですが、多くのハウスメーカーはこの明細見積書を出しません。
その代わりに「本体工事一式(1000万円)」などと書かれた内訳の全く分からない一式見積書という良い加減なものしか出さないことが多いのです。
このような見積書だと、後で使用する部材のグレードを下げられたり、数量を減らされたりしても私たちには分からないのです。
もっとひどい場合には、家づくりに必要な設計費用や仮設費用などを契約前の見積書には入れずに、後からオプション料金という形で上乗せして請求してくることがあります。
はっきり言って、普通の契約でこんなことは絶対にあり得ません。ハウスメーカーだけがやっているような、全く話にならない悪習です。
このような一式しか書かれていない見積書を出された場合には、必ず全ての項目と内訳が記載されている「明細見積書」を作成して出すように言いましょう。
中には、それに簡単には応じてくれないハウスメーカーもあるので、そういう住宅メーカーとは直ちに縁を切りましょうね。
【デメリット6・実際に家を建てるのは各地域の下請けの工務店なので、技術力に差があり完成する家の良し悪しが予想しにくい】
ハウスメーカーで家を建てる場合でも、多くの場合は実際に現場で施工するのは各地域の下請けの工務店です。
ハウスメーカーは徹底したマニュアル化や施工管理、さらに品質にバラつきが出にくい建築工法などを採用することで一定の品質を保つように努力をしていますので、ある程度の水準をクリアし、安定した品質の家を作るのは得意です。
しかし、どうしても現場で施工する工務店や大工さんの技術が家の品質に大きく影響します。
工務店で家を建てる場合は、自分で腕の良さそうな評判の良い工務店を探せば、その工務店が責任をもって現場で施工することになるのですが、ハウスメーカーの場合には現場で施工する工務店がどこになるかは、実際に施工が始まる時点にならないと正確には分かりません。
下請けの工務店が、腕のいい高い技術を持ってる工務店だと良いのですが、技術力の低い工務店に当たった場合には、一定の水準以上の家が建ちにくいということがあります。
このようにハウスメーカーに注文する場合には、実際に現場で施工する大工さんを選べないのがデメリットとなります。
ちなみにアイフルホームのようにフランチャイズ方式のハウスメーカーの場合には、ハウスメーカーと契約したと思っていても、契約の相手方は加盟店の1つである各地域の工務店になります。
フランチャイズ方式のハウスメーカーの場合には、現場で施工するのが下請けの工務店というだけではなく、そもそも契約の相手方が地域の工務店になりますので注意が必要です。