住宅保証での保証書の適用範囲はどこまでなのか
最近、住宅の広告で100年住宅というのをよく見聞きします。
「100年住宅」とはその名の通り100年間、住み続けることができる住宅という意味です。
100年はともかくとして、このところ次第に長くなりつつ住宅の寿命ですが、これほど寿命が長くなると当然それに伴って保証期間も長くなります。
また、せっかく建てる我が家だから、できるだけ良い保証を長い間してもらいたいばかりに工務店ではなくあえて大手ハウスメーカーに建築を頼む人もいるのです。
では、現在ハウスメーカー各社の保証体制はどのようになっているのでしょうか。
はっきり言って保証書はどこのハウスメーカーでも内容は同じようなものばかりです。
したがって保証期間にも差はありません。
具体的に言いますと、構造物および雨漏りに対しては10年間の保証。
それ以外の下地や仕上げ、およびその他の付帯設備などに対しては2年間の短期保証になっています。
こうしたことを明記している点では、契約約款より保証書の方が見やすくなっているようです。
保証書はどこまでが保証範囲なのか不明確な点も多い
保証書は契約約款比べて分かりやすいものの、読んだだけですべてがすっきり理解できるかといえばそうでもありません。
例えば「防水の保証」に関して保証書に書いているのは「室内仕上げ面を汚染し、または室内に至るまで」ということだけです。
これだとたとえ壁の内側まで浸水しても室内に至らなければ保証対象にならないということになります。
こうした点についていくつかのハウスメーカーに問い合わせてみたところ、どこも言葉を濁すだけで、明確に答えてくれませんでした。
ただあるメーカーだけはこの場合も保証の対象になると注意書きを書き込んでもいいと言ってくれました。
こうした例を見ると、保証書があらゆるトラブルを解決してくれるとは、決して思えません。
どうやら保証書も万能ではないようですから、不足の点については契約約款などの力も借りて、より完璧な保証体制が保てるように準備したいものです。