
マイクロソフトが人工知能(AI)や音声認識技術を手掛けるアメリカのソフトウエア会社ニュアンス・コミュニケーションズを買収すると発表した。
買収額は債務を含め197億ドル(約2兆1500億円)という巨額案件になっている。
マイクロソフトはニュアンス・コミュニケーションズと既に医療などヘルスケア分野で提携しており、ヘルスケアサービスを強化していくことが予想される。
マイクロソフトはニュアンス・コミュニケーションズの株を1株当たり56.00ドルで買い取り、これは前週末の終値に23%上乗せした水準となっている。
この買収手続きは年内に完了する予定となっている。
ニュアンス・コミュニケーションズは、iPhoneなどに搭載されているSiriの基礎技術を開発した会社であり、実績は証明済みである。
マイクロソフトが買収したことで、マイクロソフトの音声認識ソフトであるCortana(コルタナ)の精度が格段に上がるだろう。
現状ではコルタナは音声認識ソフトとしては、あまり優秀とはいえないのが現実だけど、これをきっかけに一気にシェアを取れると確信しての買収だろう。
ただ、コルタナの精度が上がったとしても、使われるのはPCがメインなのでそこまで普及しないのではないかと思う。
マイクロソフトもそれはわかってるだろうから、他に何か狙いがあるんだろう。
ヘルスケア分野に力を入れるにしても、スマホやウェアラブル端末で全くシェアを取れていないマイクロソフトがどうやって攻めていくのか予想が付かない。
これだけ巨額の買収を仕掛けたのだから、よほど大きなビジョンがあるのだろう。
日本では音声入力とかを使ってる人は、まだまだ少ないけど、海外ではけっこうみんな使ってる。
音声での入力や操作はこれから重要になってくるだろうから、そこで絶対に遅れを取りたくないんだろう。
マイクロソフトは一時パッとしない時期があったけど、サティア・ナデラがCEOになってから完全に息を吹き返している。
これからマイクロソフトがどういう動きをしていくのかとても楽しみだ。