
みんなインフレ率って気にしていますか?インフレって僕らのお金をどんどん吸い取っていく危険な怪物なんですよ。
とりわけ投資などに興味を持っていない人に多いのですが、インフレ率というのを気にしていない人がほんとに多いです。これって将来にわたって自分の資産形成を考える上でものすごく危険な事です。
投資とか経済の初歩的な本を読めば必ず書いてある事で、初めて知った時には目からウロコが落ちる感覚になって、勉強して良かったと感じる事ができるテーマの1つです。
株式投資とかFXの本とかって薄っぺらいアホみたいな本が多いけど、多くの人から長年高い評価を得ている投資の本というのはやっぱり読むべきだと思います。
例えば、ベンジャミン・グレアムの賢明なる投資家ですよね。これは真剣に投資をしようと考えている人にとっては必読の本です。
ベンジャミン・グレアムという人を知らない人でも、投資の神様であるウォーレン・バフェットの師匠だと言えば、すぐに理解できるでしょう。
ベンジャミン・グレアムは、あのバークシャーハサウェイを率いるウォーレン・バフェットの先生なんですよ。そんな凄い人が書いた真面目な投資の本を読まないなんてもったいないですよ。
新賢明なる投資家 上~割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法~《改訂版――現代に合わせた注解付き》
新賢明なる投資家 上~割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法~《改訂版――現代に合わせた注解付き》
この賢明なる投資家に、投資の事なんて全く知らない素人でもすぐに理解できるインフレの問題が書いてあったので紹介します。
心理学の世界では「貨幣錯覚(money illusion)」と呼ぶらしいのですが、以下の2つのうちあなたはどちらを好みますか?
- 物価が4%上昇した時(インフレ率4%)に、給料が2%アップした。
- 物価の変動が全く無かった時(インフレ率0%)に、自分の給料が2%カットされた。
さて、どうでしょうか?
おそらく、ほとんどの人が1番目を好み、2番目を嫌だと感じるでしょう。
でも、これって実は実質的には全く同じなのです。
数字の大きさや単位は現実的ではないですが、分かりやすく説明します。
もし、あたなの月収が1,000円だとします。そしてパン1個の値段が100円だとします。
この場合、あなたはパンを10個買う事ができます。
では、あなたの月収が10%アップして、インフレ率が20%になった場合、パンを何個買えるでしょうか?
あなたの月収が10%アップしたので、月収は1,100円になります。他方でインフレ率が20%なのでパンの値段は120円になります。
すると、1,00÷120=9.16という事で、パンは9個買える事になります。
次に、あなたの給料が10%削減されて、インフレ率が0%だったとします。
あなたの月収は900円になり、パンの値段は100円のままです。
900÷100=9という事で、さきほどと同じくパンは9個買えるという計算になります。
自分の給料が上がると何となく得して資産が増えたような気分になるのですが、実はそれ以上にインフレ率が上昇すると、実質的には給料が減っているのです。
見た目の数字だけ見ると自分のお金が増えたように感じるのですが、お金の本質であるモノやサービスの交換価値という面から考えると自分の財産は減っているのです。
このように錯覚してしまうので、「貨幣錯覚(money illusion)」と呼ばれているのでしょうね。
したがって、自分の老後に向けて投資で確実に資産を増やしていこうと思うと、最低でもインフレ率以上に増加させていかないと実質的にお金は増えないという事です。
見落としがちなインフレですが、本当に要注意ですよ。