
転職の面接では、時々、質問に答えにくいような自分の弱点を突いてくるような質問が投げかけられることがあります。
その時に、対応方法を知らないと、黙ってしまってうまく対応できなかったり、まずい応答をしてしまう危険性があります。
弱点を突いてくる質問にはある程度決まったパターンがありますので、今回は、その代表的な質問と応答例を説明します。
中には、わざと応募者を精神的に追い込むような質問を次々に投げかけてくる圧迫面接という場合もありますので、事前に心構えをしておく事で現場で取り乱さないようにしましょう。
これから面接を控えている人は、一通り確認しておくと、本番で必ず役立つと思いますので、ぜひ最後まで目を通しておいて下さい。
目次
前職の期間が短い事を突いてくる質問への対応
職歴の中に1年くらいで辞めた会社がある場合、必ずその点について質問されると思っておきましょう。
この質問に対する答えとしては、自分のビジョンに合わなかったという流れにするのがベストです。
以前の「転職の面接」が成功するかは事前の準備で9割決まるという記事でも紹介したように、転職の面接の前には自分の仕事に対する将来のビジョンを考えておくことが重要です。
5年後、10年後の将来のビジョンが明確になっていれば、そのビジョンに合わなかったという流れで説明することができます。
「その時の会社は、自分のキャリアビジョンに合わないものだった。」と説明すれば、面接官を納得させることができます。
ただし、その前提として、自分の将来のビジョンが、誰が聞いても納得できるような明確なものになっている必要があり、かつ、それが今回の応募した企業にマッチしていることが必要です。
もし、明確なビジョンが無ければ、面接官は、「この人はすぐに辞める人で、うちの会社でもすぐに辞めてしまうだろう。」と思ってしまうでしょう。
短い期間で辞めてしまった会社があるという事実は変えることができませんので、それをビジョンに合わせて前向きな退職理由に変えましょう。
会社を批判するような理由はNG
「入社してからの仕事の内容が、最初に約束していたものと違った。」「残業や休日出勤は無いという約束だったのに実際は違った。」というような、企業を批判するような理由を言うのはやめましょう。
面接官としては、「それはあなたが勘違いしていただけなのでは?」「本当に事前にきちんと調べたのか?」などと思うでしょう。
仮に、本当に会社側に問題があったのだとしても、それを理由にするのではなく、自分のビジョン実現のための前向きな退職だったという流れを何とか作るようにして下さい。
転職回数が多い事を突いてくる質問への対応
転職回数が多い場合には、その点も必ず突っ込んだ質問をされます。
ただ、実際に問題になるのは転職回数よりも転職の質です。
例えば、4回の転職があって、雇用形態が、アルバイト、派遣社員、契約社員、正社員と変化していた場合、この転職はステップアップするための転職と言えます。
採用の難易度も上がっていますし、仕事の責任も重いものになっているので、その点をきちんと説明できれば、むしろプラスの評価になるでしょう。
もし、そのようなパターンではなかった場合、この質問でもさきほどのように自分の将来のビジョンに結びつけて、前向きに転職を重ねてきたという流れで説明できれば、面接官を納得させることができるでしょう。
転職回数にこだわらない会社を選ぶのもアリ
中途採用を積極的に行っている企業の中には、「とにかく仕事ができる人。なんでもやってくれる人。」をどんどん募集したいと思っていて、転職回数なんて気にしないという会社もあります。
成長中のベンチャー企業や外資系企業に特に多いパターンです。
このような企業の場合、そもそも転職回数を気にしないという場合もありますし、様々な職場を経験してきたという事で、むしろプラスに評価される場合もあります。
もし、どうしても転職回数が気になって、気分が後ろ向きになってしまうという人がいれば、成果を重視するベンチャー企業や外資系企業に絞って応募するというのも有効です。
前職を辞めてから長い空白区間があることを突いてくる質問への対応
前職を辞めてから、今回の応募までの間に長い空白期間がある場合も、突っ込んだ質問をされることが多いです。
長い空白期間がある場合、面接官は「どこの企業でも落とされ続けてきたのではないか?」「ビジネススキルが鈍っているのではないか?」「その間の生活はどうしていたのだろう?」などの疑問を持つでしょう。
その期間に、留学、資格取得のためのスクール通学、出産、育児など正当な理由がある場合には、それを正直に答えれば問題ありません。
ただ、留学については内容が単なる語学留学の場合には、自分の将来のビジョンに合わせた具体的な理由まで話さないと、単に外国でフラフラしていたと思われかねませんので注意が必要です。
そのような理由が特に無いような場合には、その空白期間にもビジネススキルを磨いていたということを説明できるようにしたいところです。
病気が原因の場合には正直に言わない方がいい
長期間のブランクの原因が病気の場合には、できれば、正直に答えない方がいいでしょう。
ケガの場合には、完治していれば、今後の仕事に影響が出ることは少ないでしょうが、病気の場合には、現在完治していたとしても、今後の再発の可能性などを疑われてしまいます。
病気を理由にするのは、印象が悪いので、できれば、他の理由を語れるように準備しておきましょう。
どうしても、病気の事を言わなければならないような場合には、現在は完治していて、医師からも再発の可能性は低いと言われているなどの客観的な証明があることも説明できるようにしたいところです。
アルバイトをしていた場合には、自分の将来のビジョンの一環として組み入れる
長い空白期間の間にアルバイトをしていた場合には、そのアルバイトが自分の将来のビジョンを実現するために役立つという前向きな理由にしましょう。
アルバイト期間を単なる生活のためのお金稼ぎと、取られないように注意するように答えましょう。
例えば、「自分の将来のビジョンのために、セールス力とコミュニケーション力を身につけるために、トラックのセールスドライバーのアルバイトをしていました。」などと答えられると良いでしょう。
アルバイトや派遣として働いてきた理由を聞いてくる質問への対応
正社員ではなく、アルバイトや派遣として働いてきた経験が長い人に、時々される質問です。
今の時代は、雇用形態が多様化しているので、正社員ではなく、派遣社員、契約社員、パート、アルバイト、などの形態で働いていたとしてもそれほど気にはされませんが、時々聞かれる場合があるので準備はしておきましょう。
この質問の意図は、「正社員としてのやる気があるのか?」「仕事への責任感がパートやアルバイトのままではないか?」という事を気にしているのだと思って下さい。
答え方としては、単に生活費を稼ぐためだとか、気楽だからという理由は絶対に言わないようにしましょう。
今までと同じように、自分の将来のビジョンに合わせて、前向きに答えられると良いです。
例えば、「簿記の資格を取得し、正社員として働きたかったが経験がなかったので、まずは実務経験を積むためにアルバイトから始めた。」などと答えると良いでしょう。
「安定」を理由に正社員を望まない事
現実問題としては、正社員を希望する理由として、「安定」というのが誰しもあると思います。
しかし、面接の段階で「安定」を理由にするのはやめましょう。
会社側には、「会社に依存する主体的に動かない人」と思われてしまう危険性があります。
「より責任のある仕事がしたい」などと答えるようにしましょう。
正社員になれなかった事を環境のせいにしない
「本当は正社員として働きたかったのですが、景気が悪かったこともあり、派遣でしか仕事が見つかりませんでした。」のような答え方は避けるようにしましょう。
面接官としては、「それは単にあなたの能力が足りなかっただけなのでは?」と思うでしょう。
正社員になれなかった事を環境や時代のせいにするのではなく、自分のビジョンに合わせた前向きなものにしましょう。
未経験であることを突いてくる質問への対応
求人欄に「未経験者歓迎」「未経験者OK」と書かれている場合でも、当然、経験者の方が優遇されます。
未経験の場合でも、面接の場で「自信はありませんが頑張ります。」「頑張りますので、教えていただけると助かります。」などと答えるのはあまり良くありません。
未経験の業種や職種に応募する場合でも、過去の職歴の中で少しでもマッチする部分を探して、その経験やスキルを活かせるという事をアピールしましょう。
前の仕事が向いていなかったという理由はNG
「前の仕事が自分の性格に向いていなかったので、新たなジャンルに挑戦しようと思います。」「前の仕事にやりがいを感じられなかったので、今回応募させていただきました。」など、前の仕事が向いていなかったという理由は言わないようにしましょう。
面接官としては、「新しい未経験のジャンルでも、またすぐに向いていなかったら辞めてしまうのでは?」と思うでしょう。
例え、本当に前の仕事が合わなかったのだとしても、前の仕事と新しい仕事の共通点を少しでも見つけて、「未経験ですが、◯◯の経験は活かせると思います。」という流れで答えるようにしましょう。
通勤時間が長いことを突いてくる質問への対応
通勤時間が長い場合に聞かれる事がある質問ですが、これは単純に面接官が心配で不安に思っているからです。
まず、大切な事は本当に自分が無理なく通勤可能なのかを確認する事です。
朝夕の通勤ラッシュに耐えることができるのか?長時間の電車通勤に耐えられるのか?など、入社した後に、長年本当に通い続けることができるのかを確認しましょう。
転職を急ぐあまり、多少無理な勤務場所まで応募企業の候補に入れてしまっている場合があるので注意が必要です。
もし、本当に通勤可能な場合、答え方としては、面接官を納得させられるだけの理由が必要です。
例えば、「学生時代も同じくらいの時間をかけて通学していた経験がある。」「前職でも同じくらいの時間をかけて通勤していた経験がある。」などと答えることができれば、面接官も安心するでしょう。
単純に精神論で「大変ですが頑張ります。」などと言うのはやめましょう。
通勤時間が長かったとしても、始発駅から乗れる場合には、座席に座って仕事やスキルアップのための勉強ができるなどと答えれば、むしろプラス材料になる場合もあるでしょう。
小さな子供がいることを突いてくる質問への対応
小学生以下の子供がいる女性の場合に、よく聞かれる質問です。
答え方としては、「保育園や幼稚園などの預け先が確保できていて、急な病気などへの対応は両親がしてくれる約束がある。」などと答えるのがベストです。
ただ、そのような環境が整っている場合でも、子供を持つ母親としては、どうしても、自分が対応しなければならず業務に支障が出てしまう事は少なからずあります。
その時のために、応募先の企業が子供を持つ社員への理解がある会社かどうかを調べておく事は大切です。
できるだけ、子供を持つ女性社員に理解のある企業を選ぶようにしましょう。
これは、転職面接の対策というだけでは無く、現実に働き続けるためには避けられない問題なので真剣に考える必要があります。
また、子供を預けられる環境が整っていない場合には、どうしても不利になりますので、早急に預け先の確保や家族の協力をお願いするようにしましょう。
「子供は保育園(幼稚園)に入れる予定です。」というように、面接の段階でまだ予定にすぎない場合には、説得力が無く面接官に不安を与えてしまいます。
健康状態を聞いてくる質問への対応
健康状態に関する質問は、面接の最終段階の内定がほぼ確定した段階で聞かれることが多いです。
また、病気やケガをしていたことが、履歴書や職務経歴書から読み取れる場合に聞かれることもあります。
採用担当者としては、「応募者がきちんと問題なく仕事ができるか?」「再発して長期休暇や辞めることになったりしないか?」ということが不安で聞いてくる質問です。
業務の中に車の運転や危険な機械作業などが含まれている場合には、深刻な問題になりますので、あまりウソは言わないようにしなければなりません。
健康状態に問題が無ければ、「はい。健康です。」と答えればそれで十分です。
過去に病欠などが無い場合にはそれを付け加えると一定の評価をされることもあるでしょう。
過去に病気やケガをしていたとしても、現在完治していて、業務に全く問題が無ければ、自ら答える必要はないでしょう。「健康です。」と答えておけば大丈夫です。
詳しく突っ込まれた場合には、業務時間外の通院で問題無くやっていけることや、医師からOKをもらっている事を伝え、現在は問題無く業務を遂行できるという事をアピールしましょう。
もし、本当に健康に不安があるのであれば、現実問題として仕事を続けていくのは難しいし、自分の健康にとっても良くない影響がありますので、完治するまで転職活動を休むという選択肢も検討しましょう。